IND対CLE〜ペイサーズが勝つためには〜
僕がマクミランHCならどうするか。
スラムダンク、堂本の言葉を借りるなら「まずベンチに下がらすべきはトリスタントンプソン」と言ったところか。
そもそもペイサーズはキャバリアーズとの相性は良くない。というのも、ペイサーズはスモール系ガードを2人スタメンにしている。ティーグとエリスだ。対するキャバリアーズは、ビッグマンがレブロンをいれて3人。つまりペイサーズはスイッチができない。
試合を見て1番に問題だと感じたのはティーグとエリスのどちらかが必ずアービングに付かなければならないということ。こうなると何が問題になるかというとキャバリアーズの強みである「カイリー×レブロン」のPnRが止められない。スイッチするとレブロンにティーグが付かなければならなくなるから。
だからペイサーズはまずキャバリアーズのメンバーのビッグマンを2人以下にする必要がある。
例えば
①カイリー②スミス③レブロン④フライ⑤ラブ
①カイリー②コーバー③スミス④レブロン⑤ラブ
といった感じでトリスタントンプソンをベンチに下がらせたい。
※フライはスモールマン扱い。
こうすることで「エリスがスミス」とマッチアップして「ティーグがフライ」とマッチアップすることができる。そしてカイリーとレブロンにはポールジョージとcjマイルズについてもらうことで、キャバリアーズの強みでありペイサーズが止めることができなかった「カイリー×レブロン」のPnRプレーはある程度防ぐことができるだろう。
問題なのはビッグマンを1人ベンチに下げるまでの過程だが、ビッグマンを下げさせるには基本5つやり方がある。
①ファールトラブル
早い段階でポストプレーをトリトンに仕掛けファールを誘う。もしくはピックでリムにアタックすることでトリトンのファールを誘うか。
ただ、ペイサーズは世界一ポストプレーを愛するアルジェファーソンが怪我で離脱していることもあってポストプレーができる選手がいない。なのでファールを誘うのは難しい。
②ポストプレーを潰す。
下がらせたいセンターのポストプレーを積極的にダブルチームで潰す。そこから流れが崩れることがあればそのセンターは下がらざる得ない。しかし、ポストプレー時を潰そうにもそもそもトリトンはポストプレー殆どしないから難しいだろう。
③ハック
1番下がりやすいのはハックだろう。フリースローが不得意なセンターにわざとファールしてフリースローを打たせる作戦。ハワード、アシク、デアンドレ等々、屈強なセンターたちはこの方法に苦しんで下がるシーンは多い。
トリスタントンプソンはどうだろうか。
調べてみたところ今シーズンは213本打って106本しか決めてないそう。確率でいうと49.8%だ。ハックするには悪くない数字。
ただ問題はハックの使い勝手が悪いところだ。
早めにやりすぎると自分のチームがファールトラブルになるから基本4Qでしか使えない。しかも結局は運頼みってところもね。
④ミスマッチをつく
トリトンにマークされている選手とガードがピックをしてスイッチを狙う。「ティーグvs.トリトン」の対決を上手く制することができれば下がってくれるかもしれない。
しかしこれの最大の問題点は「スイッチするかどうかはキャバリアーズの意思次第」であること。トリトンではティーグorエリスのスピードを止められない、と判断すればそもそもスイッチしてくれないだろう。結局このやり方も決定打に欠ける。
⑤センターがシュートを打つシチュエーションを作る
これだ。僕がマクミランならこの方法をとる。
トリスタントンプソンが打たなければならないシチュエーションをどうにかして作りたい。
トリトンがジャンパーを決めることができないのはキャバリアーズの数少ない弱点の内の1つじゃなかろうか。
ウルブズの次に多く見てるチームがキャバリアーズだが、ふと思ったのは、彼がキャッチ&シュートを決めてるところを見たことがない。
そう思ってキャブスファンのテネスムスさんに聞いてみたところ案の定トリトンがペリメーターでちゃんとしたキャッチ&シュートを決めたのは今シーズン1度だけだとか。
ジャンパーの練習はオフにしていたそうだが、結局間に合わなかったということだろう。
レギュラーシーズンでは、数本だが時間がなくて苦し紛れのジャンパーをトリトンに打たせるディフェンスが出来たチームもある。
そのような粘り強いディフェンスが望まれるだろう。
例えばこんなシーン。
ラブのポストアップに対してフロントを守る。裏はトリトンのマークマンか守る。
通常そうされた場合のオフェンスの対応はトリトンがフラッシュしてボールを受けて、ハイローでラブに合わせるのだが…
ここでは、ペイサーズはトリトンのフラッシュを放置してラブへのパスを守ることにする。そうすると時間が少なければ打つしかない。
それでも打たない可能性も十分あるが、それならそれでどこかでタフショットが起こるだろう。
一例でしかないが、このようにしてとにかくトリトンがボールを受けるシーンを多くすることで、キャブスの流れを崩す。崩されれば、流れが崩れてる原因の選手を下げざるを得ないだろう。そうすればペイサーズにもチャンスがおとずれるのではなかろうか。
まあこんなに言っといて、ぶっちゃけエリスを出さないでランスのプレータイムを増やせば済む話だし本音を言うとそれが一番の手かなとは思うんだけど、ランスに打たせる作戦のキャブス相手にどれだけランスがシュートを決められるかに賭けるのも結局のところ博打だろう。決めれば波にのるタイプだが、あと4勝しなければならないペイサーズがその博打で乗り切れるとは思えない。まあ一勝くらいなら勝てるかもしれないが。それにミスマッチのことだけではなくトリトンのリバウンドそのものも明らかに脅威。彼ほどリバウンドに特化した選手もそういないだろう。
そう言った意味でもトリトンのプレータイムを減らしたい。
どちらにせよキャブスを抑えることも打ち勝つことも今のメンツじゃ正直厳しい。チームバランスが悪すぎる。が、ここだけは絶対守るべきというところはどこかと問われれば「カイリー×レブロン」のピックプレーを止めたいと答える。そのための手段の1つとしてビッグマンを1人下げさせるやり方を勧めたい。
・目には目を
僕がHCならディフェンスはそうするとして、オフェンスはどうしよう。
まずレギュラーシーズンから衰え始めていたエリス。そんな彼でキャブスにアドバンテージを取ることは難しい。まあプレーオフ入る前から分かっていたことなのでそこまで悲観する必要もないが。
問題なのはあれだけシーズン序盤話題になっていたマイルズターナーが全く機能していないことにある。game1で「コーバーvs.ターナー」になった瞬間が1度あったのだが、ターナーのポストプレーは押し込むことはなく、フック気味のシュートで外していた。押し込めば誰かがヘルプに来るだろうに。そうすればどこかが空くだろうに。
レギュラーシーズンのキャブス戦では
残り2秒でパスを受けたにも関わらず一瞬躊躇して外してオーバータイムになったシーンも気になる。あそこはエゴを出して良かったところだ。
もう1つ気になるのはPnR時の判断。
「ポールジョージ×ターナー」のPnRをする場合、キャブスはヘッジディフェンスで積極的にポールジョージを潰しにきていた。
そうなるとロールしたターナーがフリーになるわけだが、もちろんゴール下のシュートを打たれることはキャブスとしてはヤられちゃいけないわけだ。だから逆サイドから必ずヘルプがくる。
という流れを、判断を、全く意識出来ていなかった。
「フリーで貰えたからフリーなはずだ」
もしくは
「パスを受けたからには逃げるわけには行かない」
とでも思っているのだろうか。
「パスを受けたら必ずシュートを狙え」
なんてことはよく言われるが、そんなことはない。
繰り返しになるが、打たれちゃいけない選手、打たれちゃいけない場所でフリーでパスを受ければ、そこには必ずヘルプがくるわけで、そうなると自分ではなくどこか別の選手が空いてるはずだ。それなのにも関わらず「パスを受けたら最初にシュートを狙え」なんて可笑しな話ではないだろうか。
基本的な流れはこう。
フリーになる→パスを受ける前に自分にヘルプが来ることを想定しておく→パスを受ける→パスを考える→①実際にヘルプがきた→パスをする→②ヘルプは来なかった→シュートをする
実際に起こったシーン
このシュートは結局外れてしまったわけだが、外し方も「急にヘルプがきたからビックリ」して外したといった感じだった。そうなる理由はやはりピックしてロール→パスを受けるまでにどこからヘルプが来るのかを予想できていないからだろう。これも僕が思う彼の物足りなさの1つである。
ただ、判断は今ひとつなものの、ミドルの安定感やリバウンドには期待している。
そのためオフェンスの1つの決まりごととして、スクリーナー役はセラフィンにやってもらって、その後のダイブ&リフトでジャンプシュート、またはトリトンのようにスペーシングを広げつつリバウンドに飛び込むシーンを増やしたらどうだろう。
次にポールジョージをどう活かすか問題。
基本何をやらせても得点を取れる。
が、特にオフボールスクリーンからのキャッチ&シュートの本数は積極的に増やして欲しい。
ドリブルからのシュートは本来の彼の姿ではないだろう。
それ以外にもう1つ。
「カイリー×レブロン」のPnRの真似を「ティーグ×ポールジョージ」にもしてほしい。
ティーグもディフェンス出来ないが、カイリーも中々に下手だ。
そのためスイッチを誘えればポールとカイリーのミスマッチを狙えるし、スイッチしなくてもどこかでアウトナンバーが作れる。やられたらやりかえせ。「目には目を」だ
後は神とマクミランに祈ろう。